自転車礼讃

昨日、NHKの「ためして合点」で自転車をやっていた。なになに?自転車の効用として「寝たきり防止」に「血行も良くなる」って。「なるほど、合点」といった具合でした。
自転車のペタルを踏むと、大腿筋が鍛えられるのは分かりますが、その他に腸腰筋(ちょうようきん)も鍛えられます。それは腰骨と大腿部をしっかり繋ぐ筋肉で、これが歳と共に段々と弱り、ついには起き上がれなくなる、つまり寝たきりになってしまうのだそうです。
歩くだけの運動では、腸腰筋まで効果が及びません。50代で150分/週、60代で140分/週を目標に、自転車のペタル踏みを勧めていました。40代は160分/週です。ただし、漫然と漕いでいてはダメで、その人の最大筋力の30%以上の負荷がかからないと、鍛えたことにはならないそうです。自転車で路上を走っていて、ちょっとした坂道(傾斜が2.5°程度)で既に50%近い負荷となっていました。この鍛え方により、体中の血液の流れも良くなります。また、自転車で走っていると爽やかな風が体に当たり、体温を下げてくれるので一石二鳥です。階段の上がり降りでも、この腸腰筋が鍛えられます。
ここで自転車のエピソードを一つ。
団地のゴミ捨て場で“リサイクル業者”まがいのおじさんとたまたま話をした。私が「自転車を買うたびに盗まれて困っている。もう、2回もやられて、新たに買う気がしない。」と言ったら、おじさんが「自転車なら我が家にいっぱいある。自宅まで取りに来れるのならタダであげるよ。」との返事。丁度、本当に困っていた所だったので早速、貰いに行くことにした。その自転車に乗って颯爽と帰ってくるために、歩きで出掛けました。田中農協のずっと先で、大体の場所は聞いておいたのですが、迷いながら、かなり疲れたなと思う頃にやっと着きました。周りに畑が残っている新興住宅地の一角に、一戸建ての新築でデンと構えていました。広い敷地いっぱいに、あるはあるは、電気製品やら農機具やらが所狭しと置いてあり、自転車も10台位、並んでいました。おじさんは「よく来てくれた」と、自分で使おうと思っていたらしい、一番いいのをその場で選んで、私にくれました。お礼には、りんごを5つ、用意しておりました。おじさんは「こうしていろいろ拾い集めてくるから、家族の者からは総スカンを喰っている。」とボソッと言っていました。
自転車は純然たるママチャリで、古色蒼然としており、前後にカゴも付いている。この自転車が当たりました。まず、ペタルは軽いし、下り坂ではスピードが落ちず、どの自転車にも負けません。もう、あれから8年、毎日、片道15分の北柏駅まで往復しています。これまでにパンクが2,3回、タイヤ交換1回、ライトの球きれが2回位で他に故障も無く、まだまだ4〜5年は大丈夫のようです。
自転車はいいですね。環境に優しく、維持費もゼロに近いし、発電能力もあって夜道も自力で走れ、「寝たきり防止」と「血行も良くなる」と聞いて、益々愛着を感じるこの頃です。
                                    (了)