影の力

影は正直である。日が当たれば、必ず影が出来る。影は暗くて見えない、隠れた存在である。影は全く目立たない、縁の下の力持ち。植物の根っこも同じ、縁の下の力持ちである。
「雑草の強さを見たり根の力」
最近、草取りをしていてよく思う。大事に育てていこうとしている苔の根は上っ面だけ地面にくっついているだけなのに、片や目の敵として引っこ抜いている雑草の根は地中深く食い込み、地面にしがみついている。雑草は強い!放っておいたらそれこそあっという間に芝や苔など駆逐されてしまう。雑草と呼ばれる所以でもある。
この根っこの力を見ていてつくづく思う。目立つところだけ見ていてはものの本質はわからない。日向ばかりに目を向けていないで影の部分に気を向けなさい。つまり影の力を大事に考えよということだと思う。
振り返って自分に当てはめてみれば、日は当たらなくても地道に地盤を固めることに精を出し、時期の到来を待って、おもむろに芽を出して上の方へ伸びていけということに通じると思う。
日頃の当たり前のことに手を抜かず、一生懸命に生きよ、(影の部分を大切にしよう。)ということだ。また目先のことに追いまくられてばかりいては目標を見失ってしまう。大局を見据えて、長期戦略でこなしていくのがよい。  (了)