エイラ・シリーズ

大好きなエイラ・シリーズの読み残していた第5部「故郷の岩屋」全3巻を読み終えた。
「温故知新原始の頃を読み漁り」
太古の時代にあって、現代人の目からみて感心させられること。
それは、人間社会として生きていくための絆をものすごく大切にして日々生活していること。
生活基盤としての各洞窟(竪穴式か)には洞長(ほらおさ)がいて、また精神的指導者(霊をつかさどる人)も別に
存在している。この精神的指導者は薬師(くすし)で医者の役も務める。
一洞全体は200〜300人を擁し、各家族(4,5人か)毎に分かれている。狩(食料調達)の時は男達が総出で出掛けていく。
こどもの成長に合わせて、いろいろな技をつけさせられるが、特に男女間の交際については、「初床の儀」や「縁結びの儀」を経て大人としての仲間入りをする。
また、「夏のつどい」で各洞が年に一度、一同に会する機会を設け、情報交換やら融和団結を図っている。
さて現代人は自由放任のためか、子ども達が成長していく過程で大人の社会にうまくなじめていない。もっと大人たちが子ども達の成長にかかずらあって協力育成していく必要がある。
最近、若い人たちへお見合いを仕掛ける「おせっかいやさん」がめっきり減った。儲け主義の「お見合い斡旋業者」に任せ切りである。子ども達の「酒・たばこ」に堂々と注意する正義漢も非常に減ってきている。
こんな世の中だから、しっぺ返しを喰らい、「人の命までもが簡単に、消され、消えてしまう。」人間の尊厳性はどこへやら・・・である。
特に子ども達に対する精神面の育成にひどくもの足りなさを感じる。親に先生、そして社会の指導的立場にある方々が自分達の生活に汲々としていて、世のため人のために尽くす姿勢が取られにくい所為であろう。
「暮らしぶりゆとりがなくて世話やけず」
天につばしているようだ。                       (了)