素晴らしい演奏会

sadoji2010-08-02

昨日、浜根湲山師の傘寿記念演奏会が千葉の美浜文化ホールで行われた。これに私も参加したのだが、準備のための練習は約2年前から着々と進められ、1週間前にリハーサル、そして何と開演当日、始まるのは午後からで、その午前中に更にひととおりしっかりとおさらいをして本番に当たったのである。これですっかり自信がついた。
出演者は各自、4曲ずつ持たされ、それぞれに責任者も決められて猛特訓を受けた。練習日は1曲ずつ、責任者を中心に師匠の前に並んで吹き、「OK」が出るまで何度もやらされる厳しさであった。朝の10時から午後の5時までびっしりで先生が一番大変なはずなのに、疲れたそぶりは微塵も見せず、そのタフぶりに皆が半ばあきれていた。本当に尺八が好きなんだなーと思った。先生も2曲ほど参加されている。
さて本番、あれだけ何回も注意され、繰り返したところがすんなりと調子よく過ぎる。終ってみればどれも上々の出来で、観客席も水を打ったように静かに聞き入っていた。あまりに全部が良く出来て、息を抜く暇もない。
後半がこれまた圧巻で、先生と弟さん2人の“だんご3兄弟”による「竹林群声」、尺八3部合奏の素晴らしいハーモニーが場内に鳴り渡り、終って「ブラボー」の声もかかる大拍手であった。それから先生の得意とする出し物、尺八伴奏付き紙芝居「地獄見物」にまた場内やんやの大喝采で幕を閉じた。
こんな百点満点に近い演奏会に参加できて大感激である。生涯の良い思い出となった。先生はまだまだお達者で、早くも次の予定を立てておられるらしい。
お客さんも会場の350席が始まる前からほぼ満席で、先生もびっくりしておいでだった。弟子を徹底的に仕込み、生き甲斐とする先生の指導者としての力量に感服しきりである。打ち上げ時、先生に「竹林群声」を初めて聴いて素晴らしかった、と言ったら「今度、皆でこれをやってみよう」と意気込んでおられた。とんだ“やぶへび”である。                  (了)