源氏物語

ここ3ヶ月間位、源氏物語を読みふけっている。通勤帰りの電車の中だけなので、あまりはかばかしくはないが、電車の中が楽しく別に座ろうとも思わない。
瀬戸内寂聴訳の全10巻の内、すでに7巻目を読み終わったところで、すでに主人公の光源氏は亡くなっているのに後に続く人たちで話が引き続き盛り上っており、興味津々である。
ここで中間の読後感を書いてみようと思う。全盛期あり、衰退期ありの人間の生き様が赤裸々に綴られ、その時その時の登場人物の思いや行動がとても自然で、物語の中に引き込まれてしまう。特に主人公、光源氏の温かい人柄にふれ、この古典のすばらしさを肌身に感じている。和歌を詠み合って、心の内を伝え合う風習がまた何とも風流で、当時のきらびやかな平安朝文化に酔いしれる。「温故知新」、これからの人とのお付き合いの仕方、生活信条にも非常に参考となるものである。これが1000年も前に書かれたものとはとても信じ難い。これを読んで、また一回りも二回りも人間が大きくなった感じがする。
読み終わったらまた何か書きたくなると思う。     (了)