時勢を読む

「世の中なるようにしかならん」の続きである。
読売の「時代の証言者」欄に、通信革命 千本倖生氏(現イー・モバイル会長兼CEO)が連載しているが、本日の記事を抜粋してみる。
「今から思うと、電電公社は70年代まで、引きも切らない電話設置需要に支えられ、内部の腐敗を覆い隠す成長を続けていたのです。「独占化の計画経済」。まるで旧共産国家のような発展ですが、やがて家庭の電話需要も一巡し、安定成長期に入ったとたん、共産圏と同様に行き詰まったのです。その意味で1980年という年は日本の通信の夜明けだったと思えます。」
《1980年12月、会計検査院の79年度決算検査報告書で、公社の約200億円の不適正な経理処理が発覚した。ヤミ給与のほかにカラ出張、カラ会議などの手口が暴かれた》
これが「我が世の春」を謳歌していた日本電電公社が“転落”していく発端となった。
民間会社に移行したNTT各社は現在、競争会社にもまれ、会社経営に知恵を絞っている。
別の欄に、大学生の興味「車」17位、と出ていた。20年前は「車」は7位くらいにランク付けされていた。若者の「車離れ」が進んでいる。
就職人気でもトヨタは前年の6位から96位に急落し、大手電機メーカーのソニーも前年8位から29位に落ちている。現在、人気が高いのは前年4位から1位になったJR東海、2位にJR東日本(前年9位)、3位に全日空(前年1位)となっている。(リクルート調査)
この不況下、高業績に沸いている業界もあるのだから世の中おもしろい。ディズニーランド・シー、マック、ユニクロ、それに海外旅行業者などである。
また、今でも人気の高い小泉元首相が8日、京都市での講演で日本郵政の宿泊保養施設「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却が白紙撤回された問題について、「(売却額が)高すぎる、低すぎる、そんな問題じゃない。もともと(旧郵政省という)役所がやる事業じゃなかったという点をもっと突いていかないといけない」と述べ、施設売却を当初の方針通りに進めるべきだとの考えを強調した、との記事もある。
こうした世の中の流れを自分なりに読んで流れに乗り、先を見越した動きが出来るようになりたいものだ。時には、流れに逆らう事も必要かもしれないが、自分の居場所を見失わないよう常に大局的判断が求められる。ボケてなどおれない!  (了)