力まず自然体

「人生、力まず自然体でいこう」、こんな言い方は耳タコくらいに言い古された言葉である。先日のゴルフコンペでこのことを強く認識させられた。9ホールを回り終えるまでに、特に後半あたり、よし、いけるかな、などと欲を出すととたんに力みが出て、失敗してしまうのだ。ボールを浅く叩いたり、深すぎて地面をえぐったり、右左へ曲げてしまったりでスコアがガタガタとなる。以前、もう大分前の話になるが、肩の力を抜き、軽く振って回り、最高のスコアを出して“何だ、ゴルフのコツはこれか”と会得したような気分になったことが1回だけあるが、あの時の感覚は未だ戻ってこない。ボールをクラブの真っ芯に当てさえすればいいのだ。次回に乞う期待!“力まず自然体”はまずはゴルフからいこう。
人生も同じだ。あわてて、いつも通りの平常心を失うと、ろくなことはない。あがってしまい、身体の節々が硬直してしまう。物忘れもする。本来の力が出ない。滑らかな動きの中にこそ十二分な力が発揮できるのだ。身体の動きばかりでなく、頭の中の働きもそうなのだと思う。ある程度の緊張、気の引き締め、意識の集中は当然のことと思うが、それをプラス面にのみ留めおくための努力をしてみよう。それには時間的ゆとり、十分な事前準備の裏付けによる精神の安定が必要なことはある程度察しがつく。精神を鍛えるための「座禅」とか「太極拳」あたりが効果的なのかもしれない。  (了)