74兆円の大きさ

米国で金融安定化法がようやく日の目を見て“7,000億ドル”、日本円にして“約74兆円”が金融業界に投入されるという。74兆円という数の大きさについて、ちょっと分かり易く紐解いてみよう。先日の新聞に載っていたが、毎日100万円ずつ貯金していったとして、利子も何も考えない単純計算ではあるが、74兆円に達するまでに何年かかるか?
答えはなんと、20万年もかかる計算となる。現在が西暦の2008年である。人類は営々と冨を蓄積してきたが、一日100万円という一庶民としては高嶺の花に近い金額をコツコツと毎日積み上げていって、20万年。
今から20万年前とは人類にとって、どんな頃か調べてみよう。地球は今から約46億年前にできたといわれている。恐竜の出現は2億5000万年前で、人類が猿から分かれて猿人が誕生したのが500万年前、現人類の出現が15万年前(ホモ・サピエンス・サビエンス)とのことである。
つまり、人類がまだ猿人の頃から毎日、(汗水たらして)100万円(??石コロの通貨しかない!)を積み立てていって、現在、今日に至る20万年という長い年月を要する、74兆円という大きさを身に沁みて感じてみたいと思う。
こう考えてみると、金融界の日頃扱う天文学的数字から見て、1日、1ヶ月、1年の単位なんて吹けば飛ぶような軽い数字に思えてくる。道理で、最近の1年があっという間に過ぎ去っていくと思った、とこれは早とちり、何も今に始まったことではなく、本人が自覚していなかっただけである。でも、一日一日は大事に過ごさなければいけないが、24時間は本当に短いと思う。一生も短い。退屈する間などない。   (了)