前向きに生きる

生きていれば結構いやなことがある。何で俺が怒られなければならないのか、一日中それが頭にこびりつき、むしゃくしゃする。しかし、考え方を変えてみる。この歳になって私に文句をつける、叱る言葉を投げかけてくる人が何人いるか。現在ざっと4.5人、昔よりどんどん減ってきている。(我が妻ももちろん、その中に入っている。なかなかうるさい。)
人に文句を言う、指導をしようとするには大きなエネルギーがいる。少なくとも自分はちゃんと出来るのに、それが出来ていない人を叱るのだ。(中には人にばかり押し付けて自分は何も出来ない人もいないではないが、例外であり、そんな人はすぐ無視されてしまう。)そう考えると、叱ってくれる人はむしろ有難い。まずは自分を反省、である。世の中、トゲトゲしい雰囲気が充満しており、ドンと肩が当たっただけで睨みつけられる。生活にゆとりが見られない。私もむしゃくしゃすることが多いが、その解決の道の一つとして「芸は身を助く」が生きているように最近感じる。音楽にしろ、絵画にしろ自分の心を自由に遊ばせることの出来る広場なのである。鬱屈した精神をそのままにしておくとろくなことはない。読書もまた良い。パソコンや携帯のゲームでもいいのでは、と思うがあまり目先の勝負にこだわると心の遊びとはならない。イライラの出るものはプラスにならない。人生前向き、何事もさらりと受け流し、明日に向かって夢や希望を追い続けよう。吉田松陰の“憂き事のなおこの上に積もれかし限りある身の力ためさん”の心境を参考にして、元気に過ごしていこう。そうそう、私の座右の銘は“命気不体心”であった。「一番大切なものは、体や心ではなく気力であるぞ!」という意味で、これは中村天風先生の教えである。   (了)