損な性格

世の中には、損な性格の人がいるものだ。生まれながらにしてという分もあるが、自分で気が付いていたら直していこうという努力の姿勢くらいは必要だろう。私も損な性格と言えば、クヨクヨすること、引っ込み思案、人にハッタリをかますことの苦手なこと等である。でも人に迷惑を及ぼすようなことはない。ちょっとじれったいと思わせる位である。ここで取り上げたいのは、気の短いカンシャク持ちのことである。人の説明を良く聞かずに誤解し、すぐにどなる。真っ赤になってテーブルを叩くこともある。冷めた目で見ていると、いい大人がと滑稽でもある。以前、ここは自分も言うべき事は言わねばと同じく声を荒げて言い返したら、効果てき面、しばらくはどなる手段が見られなくなった。私だって、出来る限り波風は立てたくないと、円満に事を収めようとしてきたが、今や人生、割り切って自分らしく生きようとしているので、腹の虫が治まらない時には、ストレスを溜め込まないように、出来るだけ外に発散するように方針を変えた。相手方に「お宅みたいに力いっぱいテーブルを叩き怒鳴り上げてみたいものだ。きっと胸がスーとすることでしょうね。」と酒の席ででもさらりと言ってやろうか。喜怒哀楽を自然体で表現し、明るく楽しく生きようと思う。常に人のことを考え、決して人を傷つけるような事は言わないし、またしない。まあ、人間が出来ているとでも言おうか。読書のお陰と思っている。
昨日、突然に安倍首相が辞意を表明して世間をアッ言わせた。やれお坊ちゃんだの、無責任だのと人はワイワイガヤガヤ言っているが、健康面でもう限界を超えたのではないかと感じる。うつの症状も見られる。海自の給油支援活動を途絶えさせないよう、テロ特措法の継続に危機感を持った、熟慮の上の最善策をとられたのだと思う。彼も誠実な人だけに人にハッタリをかませ、懲らしめるような事が出来ない。ある面で損な性格である。しかし、人をおとしめてしゃあしゃあとしている悪人より、このような性格の人の方が世の中のためになる推奨すべきものなのである。お疲れ様でした、とねぎらいたい。ただ未だ、国民の真意がどこにあるのか掴み切れないままなのが残念であった。次を受け継ぐ人も難局に立ち向かっていかなければならないが、様々なしがらみを振り切れるだけ有利である。今の世の中、苦境に立つアメリカの立場に、真っ向から異論を振りかざせるとは到底思えない。時あたかもあの忌まわしい9.11から丁度丸6年で人々は改めてテロ憎しを想起している。民主党も一石を投じ、支援活動の意義を自他共に再確認する位の「反対」であるはずである。まあ、今後どのようになっていくか、注視していよう。      (了)