摂氏と華氏

先日、飛行機に乗っていて表示板に外気温がー45°F、−43℃と併記されていた。私は目を疑った。何で数字がこんなに近いんだ? 日常使われている気温では華氏は摂氏の3倍近い値であり、大した意味もない飾りの数字くらいにしか思っていなかった。
そこで遅まきながらネットでいろいろ調べてみた。華氏は、健康な人間の血液の温度を96度(羊が100度とか)、氷と食塩の混合物の温度を0度に定めた。それまで基準がないから暑い、うんと暑い、寒い、うんと寒い、としか表現のしようがなかった。今でもアメリカ人は気温が100度近くもあると華氏を使っているという。これに対し、摂氏は1気圧のもとで水の沸騰温度(沸点)を高い方の基準、水と氷が共存する温度、つまり氷点(融点ともいう)を低い方の基準とし、これを100等分した。これを華氏に当てはめると、上は212度、下は32度となり、その間を180等分したことになる。   よって、C=5/9(F−32)という式が成り立つ。この式くらいはちゃんと暗記していて今でも憶えていた。これが実際値でー40°F=−40℃となるというからびっくりした。(ちょっと今頃、びっくりしていたりしてはいけないと反省。薄っぺらな勉強をしていたということか。)
マイケルムーア監督の“華氏911”に対し“摂氏41.11”という映画も出来、ヴッシュ大統領と民主党のケリー候補との '04大統領選で、お互い陣営への中傷合戦にもしっかりと使われていた。ちなみに41.11℃は発熱時に脳へのダメージが起こりうる体温を示しているという。摂氏と華氏、お互い立派なライバルなのである。           (了)