海外事情(ドイツ編)

以前「講義録から」(2005−08−17)で取り上げた「自動車関連産業からの国際化と異文化交流」は内容が深く、豊富な話題を提供してくれる。
今回は、その内、海外事情(ドイツ編)についてまとめてみようと思う。
(1)ドイツ人の躾
 まず、子供を泣かせてはいけません。子供が泣いていると、すぐパトカーが飛んできます。誰かが密告するんですね。夜は子供は8時には就寝。それからは大人の時間です。日本では子供は、王様、神様みたいなもので、若い夫婦も「子供が子供が…」ともう子供に取り憑かれたようになっていますが、ドイツでは子供は騒ぐからダメだと、レストランには入れません。では「犬はどうしていいの?」と聞くと「犬はちゃんとテーブルの下で待っているからいいんだ」ということで、犬はいいけれども子供はレストランには入れません。
それから電車でも、子供はドイツの電車で座ってはいけない。どうしてかというと、学生・生徒・子供は、料金を満額払っていません。料金を満額払った人が座れるんだということです。
(2)地方分散型の国
 ドイツの国には、文部大臣が11人います。これは11の州が、それぞれ文部大臣を持っているという地方分散型であります。ドイツの国というのは非常に天気が悪い。そこで夏休みともなると、地中海の太陽の光を求めて、民族の大移動をする。だから、みんなが一斉に動いたら大変なことになるというので、学校の休みは州によって1週間ずつずらしてあります。そのくらい地方分散型です。また、自分の生まれた国、地方が一番いいんだというふうに考え、引っ越すのを嫌がります。ドイツのビールも殆どが地ビールです。
(3)高速道路と車
 ドイツの高速道路(アウトバーン)はただです。日本の高速道路の料金というのは、1キロ当たり、私達は24.6円払っています。フランスが8.7円、イタリアが6.3円だそうです。
ドイツのアウトバーンの総延長距離というのは11,494Km、日本はと言えば、2000年の3月時点で6,564Kmでした。今は大体7,000Kmくらいでしょうか。
また、未だにアウトバーンではスピード制限がありません。200キロ出そうが300キロ出そうが、自分の責任で走って下さいということです。
自動車王国ドイツでは、国産車のベンツにBMW、それにアウディを含むフォルクス・ワーゲン等がアウトバーンをバンバン飛ばしているわけですから、日本車がそこに割り込むのは至難の技ということになります。                  (了)