嗅覚

さわやかな秋晴れに恵まれ、ブルーマンデーではあるが、連休明けでもあり、元気に家を出た。しかし、結果は何と、10分遅刻のご出勤となってしまった。
いつもの通りに、犬(と妻)が私の自転車にしばらく並走して見送ってくれた。余裕を持って北柏駅のホームに立った。いつも私の乗る電車の2つ前から様子がおかしい。女高生が「何でこんなに混んでいるの」と言いながら乗り込んでいった。次の電車、そしてお目当ての、いつもこれだけは半分位座席の空いている電車まで、既に座席は満杯でホームに滑り込んできた。読みが甘かった。そういえば、出掛けに妻が「どこかの電車に何かあったらしいよ」とは言っていた。しかし、何線?いつ?どこで?と突っ込んで聞いても「知らないっ」で通され、結局この情報の効果は無かった。
駅で待っている時も、電車は定刻にホームに入ってくるので、別に気にもせずに、いつもの電車まで待ってしまった。こういった場合、嗅覚を働かせて、来た電車にすぐに飛び乗り、考えられる被害を最小限に食い止める努力が必要であった。
今日は「北千住駅での人身事故のため、常磐線快速に遅れが出ている」と乗り換えの、西日暮里駅で初めて知った。2つ前の電車に飛び乗っていれば、遅れないで済んでいた。
職場に着いて入り口の扉を開けると、他の人達は全員揃っていて、いつもの整然としたオフィスの情景が眼前にあった。仕方がない、小声で「おはようございます」と入っていった。
今朝の電車の遅れによる影響を受けた人は他には居なかったようだ。嗅覚を働かせて間に合わせた人がいたのかも知れない。反省その1、である。
部屋を出る時、扉を開けるのに、扉の外の気配にちょっぴり気を集中させるだけで、うっかりミスは防げる。これも日頃から、嗅覚を養う術のひとつと心得ている。  (了)