犬と猫の話

今朝の新聞(読売)に、1973年ノーベル物理学賞江崎玲於奈氏が載っている。彼は長らくアメリカに住まわれ、頭脳流失と騒がれたりしたが、現在は茨城県科学技術振興財団の理事長として、日本で研究者の異分野交流や研究成果の社会還元に力を注いでおられる由。
もう10数年前で、いささか古くなりましたが、彼がニューヨークから“アメリカ便り”として書き送ってきた記事を取り上げてみたい。
アメリカに犬と猫ではどちらが多く飼われているか”
昔は、間違いなく犬族が優勢だったそうですが、最近どんどん猫族の方が伸びてきて、推定によると現在、猫5600万匹、犬5200万匹で猫の方が多いらしいとのことです。
そして、この流れはアメリカ家庭の変遷を物語っているのだそうです。
大体、犬というのは人間と情が通じ合い、子供と共に家族の一員のような顔をしており、それだけに世話がかかる。一方、猫は本来、夜行性で独立性が強い。
アメリカでは、大家族が次第に影をひそめ、子供の少ない夫婦共稼ぎが多くなった。そうなると、世話のかからない猫を飼う方が犬より都合がいいということになる。
多分、子供達自身も、母親からの世話があまり期待出来ないので、犬ではなく猫のように振る舞うことが求められているのかも知れない、とのことでした。
ペットの動向から子供達の動向まで探る、この洞察力には驚かされますね。
正に、我が国でも、この猫タイプの子供達であふれていると思いませんか。
ちなみに、現在の日本では、推定で猫800万匹、犬1200万匹と、まだ犬の方がずっと多く飼われているようです。“犬派”と“猫派”、それぞれに相入れないところがあって、おもしろいですね。まあ、予測として我が国もこれから、飼いやすい“猫”がぐんと増えるのかな、と思いますが、私としては(妻も)、“犬の可愛さ”はとても猫に代えることは出来そうにありません。                  (了)