孤独の歌声

私の身の回りに段々と孤独の歌声が響いて来つつある。
この原因の半分近くは自分自身の姿勢にある。今までだって仕事上は単独行動が殆どで、昼食時にだけ4〜5人で連れ立って出掛けていただけである。連中の中に、あれこれと好き嫌いがあり、特に5人も揃うと、場所選びも大変であった。少なくとも私が抜けることでMax4人なら、選択肢も広がるというものだ。ということで、この4月から、私の所属部署が変わったのを潮に、昼食時も単独行動を選ぶようになった。気儘にどこへでも食べに行けることは私にとって、むしろ歓迎すべきことなのである。
よって、この孤独に耐えていく必要がある。別に無視されている訳ではなく、全く仕事上に関係のない、机を並べている回りの女の子達も、何も60過ぎの小父さんと話題を合わせることもないと思われているだけである。
ちなみに、この“孤独の歌声”とは、以前読んだ本の題名にあったものだ。
先日、めずらしく職場のS氏と1パイやって、帰りが10時近くになってしまったが、これからは身近な家族と、より緊密な連携を取り“孤独感”から解放されるように図るのがよいと思う。
“老兵は消え去るのみ”の格言に照らし、今更、意地を張って人前に出しゃばることはない。その分、自分のカラーを確立させ、どっしりと構えて慌てず騒がず、目標に向かって精進に努める姿勢こそが望ましい。素地は充分に出来ている。これから基本的に年金生活者となる生活が待っているが、与えられた生活範囲内で“命気不体心”の信条を維持し、体力・気力の充実を図って、目標とするものをやり遂げ、天寿を全うすべく“日々是好日”の充実した毎日を送りたい。これは自分一人で出来ることではないことを肝に銘じて…。 (了)

孤独の歌声 (新潮文庫)

孤独の歌声 (新潮文庫)