グアテマラの合唱団

先日(8/7の日曜日)、中米の国、グアテマラのビクトリア合唱団の公演を聴く機会を得た。会場は格式のある上野の旧東京音楽学校奏楽堂であった。
これまであまり縁のなかったグアテマラとはどんな国か。
アメリカと南アメリカを陸続きに繋ぐパナマ運河近くの国々の一つで、メキシコのすぐ南に位置し、面積は日本の1/4、人口は日本の1/10弱、主要民族は原住民と白人、その混血でスペイン語を話し、主要宗教はカトリック教、主要輸出品は綿花とコーヒーの国である。
古くは天文学、数学などに傑出した高度な文明「マヤ」の中心地であったグアテマラは、文明の遺跡と先住民の祈りが今に息づいており、古代より発達した都市が高地に建設されたため、青い空に心地よい風が吹き渡る「常春」とも呼ばれる美しい国、と紹介記事にあった。
二部構成で第一部は赤や黄色の見事な民族衣装の女性8人、男性8人、指揮者1人、最初の3曲は、この国の悲しい内戦の頃のレクイエム(鎮魂歌)だから間で拍手はしないように、との指示が入り、厳かに始まった。
楽器は何も使わず、澄んだよく透る混声合唱の歌声で、そのリズム、ハーモニー、そしてよく揃った達者な身振り手振りと陽気さに聴衆は皆、酔いしれてしまった。
小休憩後の第二部は、全員が黒の衣装に着替え、格調の高い合唱団として、又その歌声と器用な身のこなしでしっかりと堪能させてくれた。
中に日本の歌、「さくら」と「赤とんぼ」を歌ってくれたのも印象的だった。
正に音楽に国境はない、を肌で感じた素晴らしい内容でした。
前座を務めた、日本の2つの合唱団も洗練された歌声で、グアテマラ公演とよくマッチし、座を盛り上げていた。こちらも海外公演をして高い評価を得ており、こうした国際的な活動に万雷の拍手を贈りたい。
このグアテマラ公演を聴けたのは、M.I氏のお誘いがあったからで、グアテマラの曲で彼が編曲したものが実際に歌われ、又彼は、日本の合唱団の一員として舞台に立って歌い、フィナーレでは紹介をされるなどの活躍ぶりを目の当たりにして、本当に来れてよかったと思った次第である。             (了)
Coro Victoria Fans
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