啓蒙

今朝方、少なくとも2つは利口になった。自らを啓蒙した。
「セレブ」と「ゴリアテ」である。「セレブ」はインターネット上で見つけ、意味を調べようと思った。「ゴリアテ」は今、読んでいる小説の中に出てきて、これも何のことかわからなかった。別に無知を恥じ入ることはない。要は不明を確認し、それを放っておかずに調べて納得し、自分のものにすることが大切なのである。
「セレブ」ではスペルをあれこれ考えて、辞書を探し回った。celebrity〔sile´brati〕名士、名声であった。スペルはまず、sele…,sere‥から調べていったので大変だった。
celebrate「祝う」、「挙行する」と豆単でとっくに憶えたではないか。よく忘れるものだ。
ゴリアテ」についてはカタカナ辞典には載っていなかった。インターネットのYahoo!の検索欄に「ゴリアテ」と入れたら出てきた。便利なものだ。最近はもう百科辞典等は無用の長物に近い。
聖書の中でイスラエルのダビテがペリシテのゴリアテ(巨人)を倒し、一躍名を馳せる。
最近ではドイツの無人戦車に「ゴリアテ」という名をつけている。
身の丈3メートル、40Kgの鎧を軽々と纏い、大刀を振り翳す威風堂々のゴリアテを、身軽な羊飼いの少年ダビテが石投げ紐を用いてやっつけてしまう。飛び道具、つまり鉄砲の走りである。
戦う場合、その用いるもの等の仕分けをはっきりさせておかないといけない。誰もダビテが勝てる等と思っていなかった。しかし、小石でも相手の額に命中し、その小石もあらかじめ選りすぐった、先が尖り円錐形の錘のようなもので威力を発揮するものであった。
人生路においても同様な考えが浮かぶ。
サラブレッドで順風満帆に出世街道を駆け上がっていく人、何の手だても考えず、ひたすら時流に押し流されていく人等、人様々である。
この誰もが認める一高東大のキャリア組はさて置き、この場合の飛び道具を使った生き方とは、さしずめ創造性、創作欲ではないかと思う。
日常の生活の中から“必要は発明の母”張りに、問題点を敏感に感じ取り、その解決策に心を砕き、突然の閃きやヒントを生かして、それらをものにしていく能力が成功への秘訣ではないか。
今、読んでいる落合信彦の「烈炎に舞う」も主人公は世間一般の出世コースの有名大学進学を捨てて、独学で成り上がってきている。
“チャンスを生かす”ことも大事であろう。じっと力を貯え、好機に打って出る。自分の人生を楽しいものにしたいものだ。
“飛び道具”は何でもありの世の中ではないか。人と同じことをしていたのでは競争に勝てない。
勝者は、ほんのひと握りであり、エリート達の独壇場である。高飛び、三段跳び、飛び道具を駆使して進め!         (了)

烈炎に舞う (集英社文庫)

烈炎に舞う (集英社文庫)