生き物(狼から黴まで)

テレビ番組の「地球・ふしぎ大自然」が好きで良く見ている。先日も世界に分布する狼を見た。ローカル色豊かでそれぞれの縄張りに根付いて体の機能をそこに合うように進化させて
いる。白狼は零下50度の厳寒の地に合うようにフサフサした真っ白の長い体毛(太めの毛の中は空洞で空気が詰まっており、保温に役立っている。)で被われ、足は雪に埋もれないように平たくて大きい。
真冬、白一色の銀世界の中で、雪の下に縦横に通路を掘って生活している野鼠の類を掴まえるため、まず雪の表面をピョンピョン跳ねて鼠を驚かせ、通路を逃げ回るその足音を聞き分けて追い詰め、頃合を見計らってガバッと雪の中に首を突っ込んで捕捉する術を心得ている。また、子供達まで含めた4〜5匹が協同作戦で、鹿のような大型獣を仕留めるところもしっかりとカメラに収められていた。
ある地方で、狼が家畜を狙うので、人間が絶滅させてしまったところ、天敵の野牛が増え続け、草原を食い尽くしてしまい、生態系が狂ってしまった。そこで改めて、狼を数百頭、他から持ち込んだところ、元に戻って、他の草食動物も次第に数を増やしてきたとのことである。
同じ生物といっても、人間様の他に動物や植物、それに細菌類に至るまで種々雑多が共存し、丁度いい具合のバランスの上に、この地球は成り立っている。
私のシャツに蔓延(はびこ)る黴など、小さい小さい話だが、放っておくとどんどん増えていくので、黴の生えたシャツは片っ端から捨てることにした。
高松塚古墳の貴重な壁画(国宝)が、発見から丁重に管理されてきた筈のここ30年で、漆喰に蔓延る黴にやられてしまい、その対策に国を挙げて大童、というニュースは、ほんの
昨日のことである。  (了)
参考
http://www.nhk.or.jp/daishizen/