わたしの先生

「わたしの先生」という表題の本を図書館から借りて今、読んでいる。現在の各界の名士が100人位登場し、若かりし頃の忘れられない恩師を熱く語っている。
私にも当てはめて考えてみよう。私は先生には恵まれていたと思う。小学校4,5年の頃の田中勝先生、中学1年の時の石原修二先生、そして中学2,3年の鈴木敬次郎先生が印象深い。
田中先生については、当時、学校へ良くシャシャリ出ていた母が、常に誉めていたのを“成る程”と思っていたからで、今、具体的に良いところを挙げられないのが残念である。箕輪中学1年の終り、いよいよ私は群大附属中への転校も決まっていた頃、担任の石原先生はクラス全員を学校近くの見晴らしの良い丘の上まで連れ出してくれた。私はそこに生えていた木に登り、手頃な枝振りに腰掛けて、遠く真っ白に雪化粧した浅間山の勇姿にしばし見とれた。自分の故郷をしっかり見ておこうとの感慨ひとしおであった。あの思い出を持てたのは先生の配慮のお陰と今でも思っている。
附中へ来て、担任の鈴木先生が又、素晴らしかった。国語の先生で綽名は「めがね猿」。いつもニコニコと温かい授業であった。卒業前の最後の授業の時に「白鳥は悲しからずや海の青、空の青にも染まずただよう」を朗々と吟じて頂いた。卒業後50年近くになる今も、年賀状のお返事が達筆で届く。尊敬する先生に恵まれたお陰で、成長した(?)自分がここにある。まだ一生が終ったわけではないから、これからも頑張ろうと思う。  (了)

わたしの先生―人生を変え、人生を支えた心の師

わたしの先生―人生を変え、人生を支えた心の師