自覚

薄日の差す昼下がり、小学校前のうどん屋へ昼飯を食べに歩いて行きながら、ふと思った。もうすぐ70歳、70歳とは決して若くはない。60歳ではないのだ! 気力、体力共に日増しに衰えていき、記憶力も嘆かわしいほどに鈍ってきている。今更、何も出直すことはない。これまで培ってきた自分というものをじっくりと見直し、その延長線上で余生を送っていくしかない。無理、無茶はすまい。改めてこれからの生き甲斐とは何か?
幸いにもこれまでずっと健康に恵まれ、仕事をし続けてこれた。あと半年もOKと思われる。それから先、いよいよフリーとなる。悠々自適とはどういうことか。読書に尺八、それに適度な運動と暇をもて余すことはないので、せいぜい生き甲斐をこの中に見つけて大切にしていこう。ピンピンコロリを目標に、一生をスマートに過ごしたい。背筋をピンと伸ばし、思いやりを持って明るく気を張って暮らしていこうと思う。 (了)