三曲名流大会

sadoji2011-05-16

昨日(5/15)、東京文化会館で三曲名流大会が開かれた。歴史と伝統の祭典、箏・三弦・尺八の競演、人間国宝、家元・名手一千余名出演とある通り、粛々としてではあるが盛大な演奏会であった。主宰は東京新聞日本三曲協会の協賛とある。各流派1曲の出演と制限されており、都山流尺八楽会としては本曲“春風”を宗家指揮の下、総勢81名で演奏し、その出来栄えに私を含めて皆、満足そうであった。
全体をみると、11時半から始まって午後8時近くまで、途中15分休憩を1回挟んだだけで延々と名演奏が続き、聴く方も大いに疲れてしまう。私も自分の出番(9番目)を終えて2時頃から終演の36曲目まで6時間はぶっ通しで聴いた。流石に途中で抜け出す人も多かったが後になるほど油の乗った良い曲目が並んでいて、途中席を立つ人も後ろ髪を引かれる思いだったに違いない。
尺八を吹く身にとって特に印象深かったのは琴古流の方々の演奏である。個別に一派を持っていて琴古流の本曲が4曲も披露され、私はその内の3曲を聴くことが出来た。どれも虚無僧然とした雰囲気に自然を愛し、風流を旨とする尺八の伝統芸の本流は我にあり、といった名演奏であった。
都山流にはない深い味わいがある。同じ尺八族として琴古の本曲も取り入れてみたいと興味津津(しんしん)である。都山流の洗練された音楽性に、この琴古の深い味わいを加えていきたいものである。
箏・三弦とそれに唄もそれぞれ伝統的な味わいがあり、じっくりと長時間聴ける絶好の機会であった。次回(来年の5月6日とのこと)をまた、楽しみにしている。  (了)