小さな幸せ

勤めを終え、サンデー毎日となって3ヶ月となる。やっとフリーになった毎日を楽しめる気分となった。妻からは毎日家にのほほんと居られるのが嫌いらしく、やいのやいのと文句を言われる。家の中で日がな一日、角突き合わせているのが我慢出来ないらしい。それにしては毎日、感心するほど良く出かけている。本音は自由に羽根を伸ばしているところを知られたくなかったのではないかと勘ぐってしまう。
家にのんびりと居直るだけではこちらもじきに飽きてしまう。まだまだそんな歳でもない。適当に外とのつながりを持つ必要がある。その点、私にとって尺八は役に立つ。未だ稼ぎにはならないが、月に何度かは出かけることになる。そして何時間かブーブー竹を吹いてお琴と合奏出来る。いいストレス解消だ。そして殆ど毎日行ってもいいフィットネスクラブ、ここでプールとサウナを使って体をほぐし、汗をかく。それからもう一つ、私のライフワークの一つとして捉えている、創作額がにわかに脚光を浴びてきた。ここ4〜5日、この額作りに没頭している。これまで温めてきた考えを一気に爆発させるような熱の入れようである。何とか物になりそうに思って昨日、常識派の娘に伺いを立ててみた。案外、歯に衣を着せぬ言い方に少々カチンときたが、成る程と思うことが多かった。「これからはリサイクルが大事」、「なるべく経費をかけないで商品そのものを安く仕上げること」と厳しく言われた。この貴重な意見を取り入れて改良を重ね、充分に勝算ありだ。「まかしておけ」である。
これら、もろもろの生活ぶりを合わせて私の“小さな幸せ”を感じている。ただ、ぼんやりと毎日を過ごしているのではない。小さいながらも夢を持ち、なまらない様に体をほぐし、ストレスを解消しながら元気に日々を送っている。図書館から借りてきた本もいつも座右にある。この調子で何歳まで生きられるか分からないが、私の余生としては充分であろう。書き溜めたブログも纏めてみたいとも思っている。            (了)