犬の気持

ミニチュア・シュナウザーの飼犬(息子夫婦が飼っている)アビーは、ここ3週間程、我が家で預かっているが、毎日が楽しい。犬の気持を考えると、感心することしきりである。以前は排泄は、外に出してもらってからでないとしなかったので、朝夕と、最低2回は散歩に連れ出さなければならなかったが、最近は屋内でトイレの場所を決め、所要の紙を敷いて置くと、その上にちゃんと用を足すようになった。屋内で用を足すくせを確認してから、ご褒美に外に連れて行くことになっているようで、私達が出掛けようとする気配を察知するや、あわててトイレに駆け寄り、用を足そうとするその仕草がかわいい。今日は、朝早く妻を北柏駅まで車で送るのに同乗させ、帰り道、駐車場から家までの間を歩かせたら、早速、その間嬉しそうに用を足していた。やはり外でするほうが好きなようだ。用が済むと、そそくさと紐を引っ張って家の中へ戻ろうとする。私が忙しいのを知っているようだ。私が改めて仕事に出掛けようとしたら、今度はソファーに寝そべったままで顔だけ上げて見送る姿勢である。もう日中は置いていかれるのを覚悟していて、あきらめ顔なのだ。前は、いつでも玄関先までまとわりついてきて、連れて行けとねだっていたものだが、大分成長したということか。
以前、「るりはこべ」(丸山健二著)という犬を主人公にした痛快な小説を読んだが、今日も「カメラマンと犬」(新井満著)というやはり犬が擬人化されている小説を図書館から借りてきた。
この犬がしゃべれたらいいなあ、とつくずく思う。     (了)