人生の味

今から45年も前、私が初めて、初めての職場で教育資料として制作した小冊子“「人生の味」−−金言名句集ーー41.8.20”が出てきた。
今でも充分に使用に耐えうる立派な内容のものである。でも「司会スピーチ全書」から拾い出してきただけだからどうという事もないが、しっかりとガリ版を刷って20ページ位のものを確か100部くらい作った苦労を思い出している。
中味を一部抜粋してみよう。
* 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なく、心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。勝つことばかりを知って負くることを知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人を責めるな。 徳川 家康
* あんたは強欲過ぎる。ああもしたい、こうもしたいと一時に欲張って煩悶するのがいけない。それを捨ててしまって、今日は今日だけの力でやればいい。そこで今日のわるい点にすぐ気づいたら、その点に修養と工夫を加えて、明日はまたそれだけのものをやればよろしい。そういうふうにすれば、一日一日と順を追うて道が開けていきますよ、と雅邦先生にさとされた。 川合 玉堂
* 自然は人間に一枚の舌と二個の耳を与えた。だから、我々は話すことの二倍だけ人から聞くべきである。 デモステネス
* 私はその人柄のうちにいくらか老人的なものを持っている青年を好ましく思う。同じように青年的なものをいくらか持っている老人を好ましく思う。このような規則に従うところの人間は、身体が年をとっても心が老いることはけっしてない。 キケロ
* 私が自由と呼ぶものはただ一つ。秩序とつながった自由である。秩序と道義とともにあるというばかりでなく、秩序と道義なくして存在し得ない自由をのみ自由と呼ぶ。
  エドマンド・バーク
                                  (了)